俺が唯一愛した女


『好きになってた、か…』



ミユが出て行った後
ふとリビングのソファー横の床に



高校の学生証が
落ちているのを見つけた俺は



首を傾げとりあえず
拾い上げて中を見る



『上原…あの女の学生証?』



" 3年2組 "



あの女俺より下で高校生だったのか



上原は


先日コンビニで倒れて..
家まで連れて来たのに



電話に出て慌てて
飛び出して行った変な女。



『うちの近くの高校か…また機会があれば返してやらねえと…』



とりあえず机の上に
学生証を置いた俺は



そのまま家を出て
ある場所へ向かう



『……。』



どこに行ったかって?



12月17日



優衣が、亡くなって
丁度1年になる今日



俺は小さな花を持ち優衣の墓に来た



『もう1年か…』



1年を振り返ると
本当に色々あった



" 辛い事・苦しい事 "
色んな事がある中で



正直な話



自分がどうしてここに居るのか



俺の人生何もかもが
無意味に思えてきて



最終的には
生きる意味すら解らなくなって



死んだ方が楽だろ?
と思った日もあった

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