俺が唯一愛した女


グラスを拭き終えた琢磨サンは
俺に水を出し優しく微笑む。



『あ、今日は琢磨サンにちょっとした報告があって…』



「俺に報告?」



無言で頷いた優斗ポケットの中から
白い小さなメモとシンヤサンに借りている



携帯を取り出し見せる



「優斗その携帯…」



『シンヤサンから借りてる携帯だけど… 持つ事にしたから』



「…もう大丈夫なのか?」



俺の話を聞いて
驚きの表情を隠せない琢磨サン



そりゃあそうだよな



優衣の最後の留守電を
聞いたあの日から俺は



携帯を見ると
吐き気と激しい頭痛に襲われて



俺の体は携帯自体
受け付けなかった



ミユに出会うまでは。



『大丈夫!』



ミユの事を知らない
琢磨サンからすれば



時間薬で突然俺が携帯を持つ
そう決心したと思い驚くのも当然だわな



「優斗…」



『ま、大丈夫つっても携帯で通話すんのはやっぱ好まないけど…一応番号とメアド渡しとく』

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