シンデレラの王子は。
ホント、笑っちゃう。
ホント、ホント、笑っちゃうよ。
ふいに、強い風が吹いた。
アタシは、右の髪を耳にかける。
その強い風と共に一ノ瀬さんが駆け足で現れた。
「また待たせちゃったね、」
明るい色の髪がサワッと揺れる。
我にかえり、目の前に立つ一ノ瀬さんを見た。
「いえ、アタシが早く着きすぎただけなんで」
とっさに、モテ子が言うような嘘をついた。
やっぱり、しょうに合わないや。
「んー?早く着きすぎたって…」
最後の方は聞き取れなかったけど、ちょっと照れた様子だったのはなんでかな。
「今日は、どこに行くんですか?」
「知りたい?」
「はい」
一ノ瀬さん、何か企んでいるみたい。
「まだ、内緒ー♪」
ニカッと満面の笑みでアタシに言うの。クラスにいるよね、こういう憎めない人。
「なんでですか~」
「じゃ、しゅっぱーつ!!」
方向を変えて、拳を空に突きだした。
アタシから見ると、そのときの一ノ瀬さんはヒーローみたいに見えて、頼りがいのある背中っていうか、何て言えばいいのか解らないけど、アタシの知らない世界の人ってかんじがしたんだ。
今気付いたんだけど、周りの人から見たらアタシと一ノ瀬さんって、身長差パなくないスカ?!