シンデレラの王子は。
「可愛いーな」
って、ヤベっ!!
すぐに口を両手で押さえた。
俺、つい心の声出ちまったよ。気付かれてねぇかな。
「可愛いですよね、ホントに♪」
気付いてねぇや、
「そ、そ、そいつ、クマノミっつーんだって」
何、俺、焦ってんだよ。
「そーなんですか!!…次行きますか、イルカショー」
入り口でもらったパンフレットを指差しながら、嬉しそうに俺に言うんだ。
「イルカショー行っか」
「やったー!!こっちですよ、急がなきゃ」
時間が迫っているらしい。そそくさと俺の手を引いて
さりげなく手繋いじゃってるぞ、俺!!!!!
羽海ちゃんは気にしていない、というか頭の中はイルカショーでいっぱいなのだろう。
けど、俺の頭の中は手繋いでることで混雑してんぞ。
顔が熱い。手汗が多分ヤバいことになってる。
一緒にいればいる程
好きになる。
気付いたのは、イルカショーエリアの空いていたベンチに座る直前だった。
「間に合った~、……すいません…アタシ…」
どうしよう。
勢いでずっと手繋いでここまで走って来ちゃってた?ヤバいヤバい。急に恥ずかしくなってきた~。
一ノ瀬さんは解ってたよね。