恋愛談義!
「10歳になったばっかりの年、父さんの仕事の都合で日本に帰国することになったんだ。けど、三か月遅れるってことになって、俺と母さんだけ、祖父母の家に帰ってきた」
井上礼央はお皿をふきんで拭きながら、一枚ずつ丁寧に片づける。
「で、とりあえず父さんが帰って来るまで、近所の小学校に通うことになったんだけど……」
そして彼は、クスッと笑いながらほうじ茶をマグカップに注ぎ、戻ってきてちゃぶ台の前に座る。
手を伸ばせば届くくらいの距離に。
そんな彼らをぼんやりと眺めていると
彼の、ふわふわくりくりの巻き毛を触りたい、なんて衝動を覚える。
なんだろう、この感じ。
もしかして私、井上礼央のこと犬か何かだと思ってるのかしら。