恋愛談義!
「ちぃちゃんはクラスで圧倒的に一番の人気者だったから、ちぃちゃんが俺の側にいるだけで、だんだん苛められなくなった。
そして夏が終わった頃、俺たちは祖父の家から引っ越すことになった。父さんが帰国したんだ」
「そうだったのね……」
井上礼央は私のクラスメイトだった。
けれど私にその記憶がないということは、やはり井上礼央と過ごした時間が『あのとき』に重なっていたからだったんだ。
逃げるように地元を離れた。
祖父母の元で、すべての現実をシャットアウトして、新しい人生を歩み始めた。
切り捨てたはずの『過去』に、まさか井上礼央が存在していたなんて、想像もしなかった。