恋愛談義!

「自分に心底惚れてない女と結婚なんて、出来るわけない」



まるでずっと側で見ていたかのように、井上礼央はハッキリと口にした。



「――」



私と鈴川さんの関係は、社内の誰にも知られていなかったはずだ。


仕事は今すぐ辞められないから、今となっては助かったとさえ思っているけど……まぁとにかく。


井上礼央だって知っているはずがない。



「何を言ってるのか、わからないわ」



こいつの挑発には乗らない。



「小賢しいなぁ、青木サンは」



なのに、フッと鼻で笑われて、頬がひきつる。



< 27 / 281 >

この作品をシェア

pagetop