恋愛談義!

そんなつもり、なかったのに。


なのに井上礼央は私の不機嫌そうな顔を見てパッと表情を明るくして


「ああ、その不機嫌そうな顔のほうがずっといい」


と、ふざけたことをのたまう。



「は?」

「作り笑顔、正直ずっと気持ち悪いって思ってたからさ」

「――」

「あ、きたきた。どうぞ、これ俺のおごりです」



ウエイトレスがティラミスとコーヒーセットを私の前に置いた。




頭の中でパチパチと計算をする。


このまま席を立つ or とりあえず話を聞く。






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