恋愛談義!
思わず悪態が口を突いて出たけれど、井上は不思議な顔もせずそんな私を眺めている。
あれほど口止めしておいたのに。
やっぱり私はまだまだだ。
けれど話してみて、わかった。
井上礼央は勘が鋭く、私の演技が通じないタイプ、それだけ。
そして究極のおせっかい。
財布から千円札を取り出してテーブルの上に置く。
「『ボナペティート』はやめるつもりはないから。変な噂広めるのはやめてね。鈴川さんがダメなら、他を探すだけだし」
「お前さぁ……」
彼は呆れたように私を見上げ、それからまた首を振る。