Secret Prince[短篇]
一向に開かないドア。
物音一つ感じられない。
「はぁ…。」
溜息一つを落とし、
俺は瞼を閉じた。
カタッ
ん?
少しの音でも反応してしまう俺の体。
ぱっと目を開けると、
待ちわびた彼女の姿。
「…寝てなかったの?」
梨華は俺を見ると呆れたような顔で言う。
寝れるわけ、ねーじゃん。
ったく。
梨華の手には温かく湯気を立てたおかゆ。
作れんだ…。
正直、あまり期待はしていなかった。
「おかゆ、食わして。」
病人の特権。
それは何でも言うことを聞いてもらえること。
梨華は仕様がないって顔をして
俺の口におかゆを運んでくれた。
それから、
何故かソワソワしてた梨華を問い詰め、
可愛い、というお褒めの言葉を受け取る。