Secret Prince[短篇]
「…またいなくなんの?」
咄嗟に出た言葉。
咄嗟に出た腕。
俺は梨華の腕をしっかりと掴んでいた。
「へ?」
間抜けな声が聞こえる。
「傍に、いろよ。」
あぁ、これじゃあ、梨華に子供って言われても文句、言えねぇかも。
それでも言わずには要られない。
お前の前だと、格好がつかない。
「…お前がいねーと、寝れねぇんだよ。」
そう言って伸ばした手のひらを、微笑みながら梨華は握り返してくれた。
手に温もりを感じた瞬間、眠気に襲われる俺。
「んっ…」
そして聞こえる声。
それは確かに梨華の声。
ゆっくり隣に視線を動かす。