Secret Prince[短篇]
「ん。」
「?」
1分も立たないで私の手元に携帯が返って来た。
画面を見ると、登録された裕二さんの番号とアドレス。
「連絡する。」
「はあ…?」
よく分からないが頷く私。
濡れた上着を脱ぎ、タバコを吸う裕二さん。
私はそれを黙って見つめる。
彼女とか…いないのかな?いないわけ、ないか。
こんなに整った顔立ちなら絶対モテるはず。
ブスな私とは縁のない人なんだ。
「帰り、送ってやるよ」
お開きの時間が近づいて来た時、不意に裕二さんが呟いた。
「い、いいですよ!近いし、悪いですから。」
「…いいから。」
灰皿にタバコを擦り付け、立ち上がる。
「……行くよ。」
「え!?」
私の鞄を勝手に掴み、歩き続ける彼の背中に必死で追い付こうとする。