Secret Prince[短篇]
「トロイ……」
「そ、そんな…」
勝手に歩き出したのはそっちなのに!
…と、そんなことは言えないので黙って後に着いていく。
ふいに、一つの車の前で足を止める。
「これ。乗って。」
鍵をクルクルと指で回しながら、車を指差す。
指の先には高級そうな黒い車。テレビで見るような車だった。
「…。」
唖然とする私の背中をぐいぐい押し、車に押し込む。
「遅いっつーの」
「ご、ごめんなさい!つい……」
見入ってしまっていた。
車を。
「家、案内して。」
「あ、はいっ」
たわいもない話しをしながら、到着。
私が下りた後、ガラス窓を開け、顔を出す裕二さん。
「…携帯、持ってろよ」
「え?」
裕二さんは、私の問い掛けを完全無視して、裕二さんは車を走らせて行ってしまった。