小さな豆子は霊能力者!? ―マイ・プレス―
「な、何これぇぇえええ!?」
目を開けると、そこは空の上
・・・ってことは
「そ、空を飛んでる!?」
「そ、俺はパイロキネシス」
「パ、パイロキネシス?」
チャラ男くんの周りには、
真っ赤な炎が渦巻いていた
「発火能力者、火を扱う能力者だ」
「の、能力者!?」
仏頂面の男くんが説明してくれた
「けっ、本当はこう使う
能力者ねぇーんだけどな」
残念そうな顔で
チャラ男くんを見つめるデカ男
「接触間能力者が文句言うなよなー」
「うっせーよ」
・・・待って、
能力者ってどういうことよ!?
「あ?お前、マジ知らねぇーんだな?」
「し、知らないよ!!」
デカ男がシレっと私に聞く
「俺達、CRSはみんな、
お前と同じ能力者が集まる部活だよ」
「みんな能力者・・・」
同じ・・・なんだ
みんな・・・
今の気持ちはもちろんビックリ、
でも、それよりももっと・・・
私のほかに、同じような力を持つ
人達がいるって事がすごく嬉しかった
「おい、見えてきたぞ」
体育倉庫には、黒いモヤモヤが見えた
「おい、見えるか」
仏頂面男くんが、私に尋ねる
「う、うん」
「俺達は、お前の援護をする」
「俺らは、
チビ豆ちゃんの見方だかんな、仲間だぜ!」
仲間・・・
「だから、お前は迷わず戦え」
ふいに心が温かくなる
なんでだろ・・・
でも、今の私は一人じゃない
「了解です!」
すごく心強かった
「おーい!!もー遅いよぉお!」
下を見ると、
色葉ちゃんと鈴可ちゃんがいた
「わりぃーわりぃ!」
私達が地上に降りると、
2人が駆け寄ってきてくれた
「ゆうちゃん、
もっと早く飛んでこれなかったの!?」
「あのね、俺さ、
パイロキネシスだからね?
サイコキネスみたく、
完全に念動力使えるわけじゃないから!!」
「はいはい、とにかく、
小清水さんを見つけてくれてよかったよ」
「あぁ」
チャラ男くんを囲んで、
みんながワイワイ話している
こういう事態だけど、
不思議と心が落ちついてしまう自分がいた