小さな豆子は霊能力者!? ―マイ・プレス―
「時間だ」
予告時間が来ると、
辺りは瞬く間に
どす黒い空気に変わった
でも・・・
「なんにも起こらないよ?」
特に変化なし・・・
「いえ、来るわ」
鈴可ちゃんが言ったその時、
倉庫の扉がギィーっと音を立てて開いた
思わずビクッと肩がすくむ
扉が開き、中から出てきたのは
先ほど、鈴可ちゃんが透視して、
色葉ちゃんにテレパシーで見せてもらった
お下げの女の子だった
「誰だ、こいつ」
「まだガキじゃねぇーかよ」
野次を飛ばすチャラ男共
「あまり刺激するな」
仏頂面くんは至って冷静
「あの、あなたの名前は・・・?」
私は彼女に聞いてみた
すると、ゆっくり口を開いた
【私の・・・
名前は・・・倉子(くらこ)】
「く、倉子って・・・
ぷ、そのまんまじゃん!!」
色葉ちゃんが微笑する
た、確かに・・・
そのまんまだねぇ
「ぷ、あははははっ!!ウケル!!」
び、微笑じゃなくって、
色葉ちゃんがケタケタと笑い出した
「倉庫に倉子って、
ダジャレじゃないんだからさぁあ!
もっと名前考えようよ!
あははははっ!!」
「ちょ、ちょっと色葉!」
慌てて、
色葉ちゃんを止めようとする鈴可ちゃん
「あはははっ!!鈴可、何さぁあ?」
「笑うのやめて!」
「え、なんで?」
「ほら、見なさいよ!!」
倉子さんがジッと
色葉ちゃんを睨みつけていた
【お前・・・倉子の名前を・・・
バカにしたな・・・】
こ、これは・・・
倉子さん、まさか怒ってる・・・?
すると倉子さんの周りに漂っていた
悪霊の証拠である、
黒い靄が一気に集まって
倉子さんを取り囲んだ
そして、より一層周りの靄が濃くなり
瘴気が漏れ出してきた
「レベルが上がった・・・?」
紛れもなく、
今の色葉ちゃんに怒った倉子さんが
パワーアップをしてしまった!!
「おい、だから刺激するなと言っただろ!」
「え、だって、おもしろいんだもん」
至って、
ケロッとした表情を浮かべる色葉ちゃん
「もー!色葉!!!」
「お前、何やってんだよ!!」
「あぁー、色葉のバーカ」
他の3人が野次を飛ばす
「なんで私のせいにするんのよお!
ゆうくんや大ちゃんも悪いでしょ!!」
「何で俺らまで、巻き込むんだよおお!」
喧嘩勃発・・・
何、この人達・・・
「おい、とりあえず、
あいつの瘴気を止めるぞ、
このままじゃ、周りに影響が出る、
それに俺達も危ない」
と、冷静な判断を下す、仏頂面くん、さっすがー!
「んじゃ、俺が奴の瘴気を
パイロキネスでバリア作って止める」
「あぁ、頼んだ、
じゃ残った奴は霊がどう動くか、透視しろ」
「「了解!」」