小さな豆子は霊能力者!? ―マイ・プレス―

そして室内には先生と私の2人だけになった

「さて、ボサ子ちゃん?」

「あ、はい?」

え、ボサ子ちゃん・・・

思わず返事しちゃったけど

私の事?

「あなたの髪の毛、
 ボワンってしてて、可愛いわね」

「・・・」

それ、褒めてますか?

「んー名前は小清水小豆・・・
 まさに名前を裏切らない体格ね」

貶してますよね、それ

「にしても、かっわいいわね、
 小さなボサ子ちゃん!」

・・・そうなんです、このコンセプト

まさに私のコンプレックス

小さい背とこのボサボサの髪の毛

しかも、まさに名前通りの体格

悪く言えばボンバー、

も一つ言えば、キノコ頭

良く言えば・・・ボブ・・・だね

そんな私の髪型

よく言われるんだよね、

ボサボサちゃーんって

「姪っ子にしたいわあ」

「はぁ・・・」

軽く頷いてみせる

まぁ、好意を持って言われるのは

嬉しい事だし

嫌な気持ちはないんだけども・・・

「さて、ボサ子ちゃんは
 こっちへいらっしゃい?」

先生は椅子から立ち上がり、私に手招きをした

それを見て、私は先生のほうへ近づく

・・・でも

「うわっ!?」

椅子の脚に躓いて転んでしまった

「あら、大丈夫??」

先生が慌てて駆け寄って来てくれた

地面に横になった私は

足に力を入れて立とうとしたものの

力が入らずそのままでいた

「んー、きっと貧血なのね、
 オデコって思ったより
 血の気の多い場所だし・・・」

先生は私の顔を覗き込み、

髪の毛を上げ、オデコの傷を確認した

「ほら、もう絆創膏が赤く染まってるわ」

うぅ、情けないなあ・・・

折角の学校なのに、

授業も受けられなければ、教室にも入れない

何て不運なんだ・・・

しかも、保健の先生にも

迷惑掛けてるわけだし・・・

《ガラッ》
< 58 / 164 >

この作品をシェア

pagetop