小さな豆子は霊能力者!? ―マイ・プレス―
「ちぃーっす!」
突然ドアが開いて、
陽気な声が保健室に響いた
・・・この声は
重たい頭をドアの方向へ向けると、
案の定、大きな男の顔が目に映った
「げ、何お前、そんな所で寝そべってんだよ?」
・・・それは言わないでよ
「あら、大野くん、丁度よかったわあ、
この子、ベットに運んでくれるかしら?」
「・・・いいっすよー」
男はチラリと私のほうを見て、微笑した
・・・あーヤダヤダ本当に情けない
絶対バカにされる・・・
「なーにやってんだよ、お前?」
軽ーい口調で私に聞いてくる
「べ、別に・・・何でも・・・」
私が口を開き、
奴に言葉を吐こうとしたとき
「喋んな怪我人」
と言い、私の口を手で塞いだ
「むぐっ」
何すんのよー!?と心の中で叫んだ私
まぁ、彼はサイコメトラーだし、
心の声を読んだのであろう
「うっせ、黙れ・・・
大人しくしてろ、小粒の豆太ちゃーん」
意地悪そうに舌をチロリと出し、
私の脇と横腹に手を置いた
「ん・・・何してっ」
驚いた私は彼の顔を見た
「は?決まってんだろ?
ベットに運ぶんだろーがよっと!!」
「ひゃっ」
私の体は奴の腕にスッポリ収まった
「収納かんりょーう」
おいおい、洗濯物みたいに言わないどくれ
「で、先生、どこのベットに置こうか?」
「そうねー、とりあえず
窓側に寝かせてあげてくれるかしら?」
「りょーかい」
仕切りのカーテンを開け、
私をベットに優しく置いた
その様子を見て、先生が一言
「大野くんとボサ子ちゃん、凄い身長差ね」
・・・わかってます
「・・・そういえば、
今日はホームルームの後は全校集会だったわねー」
全校集会・・・全校生徒全員が集まるんだ!!
この学校はただ得さえ、広い校舎だから、
生徒も多いんだろうな・・・
んな事をちょろーっと考えていると、
「と、言う事で、先生いかなきゃ!
じゃ、ゆっくり寝ててねー?」
え、行っちゃうんですか!?
「あ、あの・・・私は・・・?」
別に一人でも構わないんだけど・・・
やっぱこの大空間の中で、一人は心細い・・・
なんて思ってしまった
「じゃ、俺がコイツの面倒見てるっすよ?」
「ほんとー!?助かるわー!
じゃ、大野くんよろしくねー!!」
と言い残し、先生は去っていった