小さな豆子は霊能力者!? ―マイ・プレス―

・・・静まり返った保健室

窓から吹き抜ける風が

ソヨソヨ聞こえた

「あーあ行っちまったー」

ふーっと一息付いて、

ベットに座ってきた彼

私は先生が出て行った

ドアを直視していた

・・・先生・・・置いてかないでええ

ただそれだけ

「おい、何がそんな不安なんだよ?」

私の思いを悟ったのか、

彼が聞き返してきた

ギクッと反射的に体が動いた

「べ、別に・・・そんな事・・・」

・・・奈緒ちゃんから聞いた

私が学校に来ていない間は

当分寝ていたって言うね

その度に彼がいつも部屋を

覗きに来ていてくれたと

それを聞いて私の鼓動が

脈打つのを近くに感じていた

そして今も・・・

私の心臓はバクバク言っている

これは・・・緊張してるんだ・・・

「おーい、チビちゃーん」

「ひゃあああっ!?」

彼の顔が私を覗き込んだ

「何驚くんだよ?」

「べ、別に・・・」

私は顔をそらす

「何で顔そらすの?」

「別にそらしてなんか・・・ないよ」

「ウソ付け、めっちゃそらしてんじゃん?」

ウッ・・・おっしゃる通りで

「お前さ、何でそんな体弱いの?」

「別に弱くないよ」

「じゃあ、何で保健室いんの?」

「け、怪我したからじゃん」

「絆創膏貼れば、
 あの先生は教室帰らしてくれっぜ?」

「・・・わ、私は・・・」

思わず質問攻めにされて、口ごもる

ていうか、恥ずかしい・・・

何か、自分を知られるのが・・・恥ずかしい

「何、恥ずかしがってんだよ?」

「別に恥ずかしがってなんか・・・っ」

「ウソ付け、じゃあ、俺と顔合わせやがれ!!」

「うー、ヤダあああっ」

「じゃ、理由を言え!!」

「それもヤダあああっ」

「・・・」

私はソッポを向いて、

思いっきり抵抗した

本当に恥ずかしいんだもん

「じゃあ、こうするしかねーや」

そう言って、何をするかと思い

体を硬直させた

・・・でも何も起こらない
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