続・俺様王子の初恋














「 連れて行きてぇ・・・
  このまま葵を攫いてぇ。
  一瞬でも、お前を
  離したくねーよ・・・ 」






掠れた先輩の声は
静かな室内に響き渡った。
ぎゅっ、と先輩の服を
掴んでいると、ふっ、と
私を押さえていた手から
力が抜けたのを感じて、
そっと先輩を見上げた。







見えたのは、先輩の
頬を伝う涙と・・・
唇を強く噛む先輩。











────────────ギシッ







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