続・俺様王子の初恋






でも先輩は、”全部”って言った。






言葉を詰まらせた私の髪を
優しく撫で始めた先輩は










「 ・・・・・全部、聞きたい 」





戸惑う私を他所に、
”話して”と、再度ぎゅっと
強く抱きしめられて、
震える声を、絞り出した。







「 ・・・夏休みの少し前に
  男の子に呼び、出され・・て 」


「 ・・・・・うん 」


「 体育館裏の、男子トイレに
  連れていかれて・・・ 」






こみ上げてくる涙。
我慢しようと唇を噛んでいたら
私を抱きしめていた先輩の腕が離れて
同時に体も離された。








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