椿姫-ツバキヒメ-
木で造られた廊下を通り
私はどんどん奥へと入って行った。
タッタッタッタッ……!
後ろから、地響きの様な音がした。
何だろうか?
と、後ろを振り向く。
「濃姫ぇええぇ!」
変な中年太りの男が此方に
向かって大爆走していた。
「会~い~た~か~っ~た~よ~!」
「ぎゃああああ!」
気持ち悪すぎて思わず
悲鳴を上げてしまった。
それでも男は止まる気配が無く
私へ突進して来ようとしたので
ヒョイッ
避けてみた。