椿姫-ツバキヒメ-



木で造られた廊下を通り
私はどんどん奥へと入って行った。


タッタッタッタッ……!


後ろから、地響きの様な音がした。



何だろうか?
と、後ろを振り向く。



「濃姫ぇええぇ!」



変な中年太りの男が此方に
向かって大爆走していた。


「会~い~た~か~っ~た~よ~!」


「ぎゃああああ!」



気持ち悪すぎて思わず
悲鳴を上げてしまった。


それでも男は止まる気配が無く
私へ突進して来ようとしたので



ヒョイッ



避けてみた。



< 19 / 38 >

この作品をシェア

pagetop