契約の婚約者
「お前と十和子さんはそっくりだよ」


沙希の心を読んだように片桐が答える。


「やめてよ。私はあんな高慢で勝手じゃないわよ」


「十和子さんも同じこと言ってたな。私はあんなに我侭で勝手じゃないわ!って」


「よく言うわよ!娘の人生で遊んでいるくせに……」


「沙希、お前のことを思ってくれているのは確かだ。そんなに意地を張るな」


押し黙る沙希の頭をくしゃっと撫で、優しく微笑む。


ほら、味見しろ、とリゾットをのせたスプーンを沙希の口元へと運ぶ。海老の甘味とガーリックの香りが口元に広がり、そのおいしさに沙希の顔が綻んだ。


こんな時の片桐は、とことん沙希に甘くなる。カウンター越しに座っていなければ、沙希は片桐を押し倒していたかもしれない。



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