契約の婚約者
「沙希、俺は別にお前を突き放したりしていないだろ?蔑にした覚えもない」


どちらかというと、精神誠意、彼女に尽くしていると思うが----?


「やっぱりわかっていない」


沙希は片桐の膝の上にまたがったまま、げんなりした顔で呟く。


その顔はわざとやっているに違いない。


「沙希、分かる言葉で説明しろ、と言っただろ?」


諭すように沙希の身体に指を這わせれば、その手をパンと払いのけられた。


そしてまた、全てを貪るようなキスで唇を塞がれる。


舌を奥深くまで絡め、呼吸すらさせない。



全くこのお譲さんは----




< 229 / 238 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop