契約の婚約者
「そういうことにしておこう。沙希、お前は本当にかわいいよ」


そう言い、片桐は沙希の額に軽くキスを落とした。その双眸はとても柔らかくむず痒くなるくらい甘い。


「きもっ!そういうのヤメテ!」


本当に、男女の情にどこまでも疎い----


照れ隠しなのかもしれないが。


沙希は、額をぐっとぬぐい、離せと片桐の腕から逃れた。


そして、じっと片桐の瞳を見据える。


「まだ文句が言い足りないか?」


「足りないね」


沙希は片桐が魅かれた、あの強い瞳でじっと彼を捉え、断言するように言う。



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