契約の婚約者
「奈央を幸せにしないと、次はアソコをもぎ取るからね?」


沙希のドスの聞いた声がエレベーターホールに響き渡った。


沙希ならやりかねない。いや、絶対にやるだろう。


修一の背筋につぅっと冷たいものが走る。


「わかった……」


壁に張り付いたままの修一はそう答えるだけで、自分の下半身に視線を落とす。


沙希はそんな修一にフッと一瞥をくれただけで、一人でエレベーターに乗り込んだ。



< 44 / 238 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop