契約の婚約者
奈央はポロポロ涙を流すわ、片桐はソファーで完全にくつろぎモードでニヤニヤ笑っているわで、沙希はどう収集つけていいのかわからない。


とにかく、これ以上二人には口を開いて欲しくない。


奈央の背中をぽんぽんとさすっていると、またインターホンが鳴る音がした。


やっと助けが来た、と云わんばかりに奈央を放り出し、立ち上がる。


「誰だ、こんな時間に?」


お前が言うな、と沙希は片桐を見遣るが、彼の目は何故か怒っている。


「迎えを呼んだんだよ」


そう言って沙希は玄関のドアを開けにいく。


今日程この男が来てくれて感謝したことはないだろう。



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