契約の婚約者
「お前、すげぇところに住んでんな……?」


部屋に入ったなり黒沢修一はキョロキョロと見渡し、そんなことを口にした。


「さっさと、奈央を連れて帰って。酔っ払ってひどい……」


「そんなに飲んだのか?」


リビングに通された修一は目にした光景にぎょっとする。


ワイングラス片手に片桐がソファーでくつろぎ、奈央はというと、フローリングに転がっていた。


「あの……これは一体?」


「いいから、そのまま酔っ払いを連れて行ってくれる?」


「片桐さんが何でここに……?」


ずっといたのか?それを聞きたいに違いない。


器の小さい男だ、と沙希は喉で笑う。



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