契約の婚約者
「俺はさっき来たところだ。広瀬さんはすでに出来上がっていたな?」


沙希の変わりに片桐が答えた。


「そう、ですか……」


気まずい空気が流れる。


誰も口を開こうとしない。


Kenny Gのメローなサックスの音だけが響きわたる中、3人の沈黙を割ったのは、奈央の間抜けな一言だった。


「あれ~、修?私もう帰ってきたのぉ?」


「奈央……」


このバカな酔っ払いに少し感謝した沙希だった。



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