叶わない恋。





「桐ちゃん保育園だった?

それとも幼稚園??」


もうこれで桐ちゃんとも最後だし、少しくらいあたしの話をしてあげる。


前から聞きたがってたでしょ??



『俺は保育園だった。


親が教師だったから、帰りの時間がバラバラでさ。


だから幼稚園より保育園のほうが都合がよかったんだ。』



「じゃあさ、保育園に預けられたのいつ??」


きっとビックリするよ。


あたしだって自分が保育園に預けられたのが何日目か聞いて驚いたんだから。



『俺は1年だったかな?


生後12ヶ月くらいで預けられた。』


桐ちゃんはなんでそんなこと聞くんだ?と、でも言いたそうな

不思議な顔をしていた。



「あたし、生まれて3ヶ月に満たないときに預けられた。」



親に初めて聞いたとき、あたしは胸が痛くなった。



なぜか涙が溢れそうになった。



どうして、2ヶ月とちょっとしか自分の手で育ててくれなかったの??


仕事ばっかりで、あたしのことはほっておくワケ?


すごく、悔しかったんだ。






< 404 / 426 >

この作品をシェア

pagetop