叶わない恋。
『夏希?
泣きたいんだろ??
俺の前で強がるなよ。』
桐ちゃんがあたしの頭に手を置いた。
「強がってなんかない。
涙が出るほど、悲しくもない。」
あたしはウソをついた。
強がったし、
涙が出るくらい、悲しかった。
『バーカ
俺にウソをつくなんて100年早いよ。』
もう我慢の限界だ…。
桐ちゃん。
どうして…??
どうしてそんなに優しいの??
どうしてこんなあたしに優しくするの??
『夏希』
桐ちゃんはあたしの名前を呼んだ。
そしてあたしを優しく包み込んだ。
なに…………??
何が起こったの??
これは夢?
『俺、もう我慢の限界だ。』
桐ちゃんの言葉の意味が理解できなかった。
どうして桐ちゃんはあたしを抱きしめるの?
それは
教師としての桐ちゃんの行動?
それとも、
1人の男としての行動??
ねぇ、桐ちゃん教えてよ…。