カレの初恋

接点

「本屋とスーパーと、
クリーニング屋と花屋......。
どれか、やってみたいところ、ある?」



村上が、
班員に尋ねた。


「あたし、本屋がいい!
漫画好きだし!」

水野さんが意見した。



(あ~~~。声も、好きだなぁ...。)

村上を見ながら、
俺は
そんなことを考えていた。

(こんなにイケメンで、
スポーツも出来るんだから、
きっと...、
モテるんだろうなぁ......。)





「小森君!」

いきなり、
村上の顔が、
俺の目の前に来て、

両手で、
俺の肩を ガシッと、
力強く持ちながら

俺の名前を呼んだ。



「んっ?!!」

いきなりの近距離に、
俺の顔は
赤面してしまった。


「何か、
体験してみたい仕事ないの?」

まともに、
話しのやり取りを聞いてなかった俺に対して、

村上は再度、
優しく説明してくれた。


「あ...、
俺は特には希望は無いな...。」

大好きな村上を目の前にして、
俺は、
真っ白になってしまった頭のまま、

かろうじて、
答えた。


「じゃあ、水野さんの希望の本屋で、行こう!
佐藤さんも、それでいいかな?」

班員の、残りのひとり、
佐藤さんも同意して、

俺の班は、

書店を、
体験希望先とした。
< 7 / 23 >

この作品をシェア

pagetop