英国喜劇リトレイス

俺は愕然とした。
脳天から爪先まで、一気に冷水を浴びせられたように体が痺れる。


真っ赤だった視界は気づけばもう灰色で、足元の緩やかな乱れたパーマが見慣れた金髪だと、気付くことが出来なかった。

だけど、これはもう……間違うことない……


「……カ、レン…?」


陶磁器のような肌は擦った傷と、もはや固体となった血液が占め、元の色をくすませている。

綺麗だった青い目は恐怖故か、カッと開かれたまま。

その周りを包む金髪は首の傷をも隠していた。


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