英国喜劇リトレイス

俺はそいつを知っている。

というか血もつながっている。
仲がいいと言うのか知らないが家族だ。
紅の髪を靡かせ、ユラリと笑う。

『ほう……お前の女だったか』

俺はボケッと見上げることしか出来なかった。

『ならば、せめてお前の目の前で首を落としてやれば良かったな』


そう言ってくつくつと笑う。

俺の視界がグラリと歪んで、


「うあ゛あ゛あああぁぁ!!」


剣を取った――


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