英国喜劇リトレイス
割り込んできた謎の声に一斉に振り向くと、声の主はざっと入り口の壁に隠れた。
「何だ?」
つか、誰だ今の?
「ああ、すみません。僕の従者です」
「何だと!?」
今度立ち上がったのはエルヴィス。
「今の可憐で繊細そうなお美しい彼女が堅物レイの従者だと!?」
「……兄貴、黙ろう?」
レイモンドの横って怖いから。
俺たちが少し静かになると、先ほどの女の子がソロリと顔を出した。
「あ、あの! きき救護室が、一段落つ、きましたので、レレイモンド様、と、ディゼルさ様の手当てを、させていただけないかと」