英国喜劇リトレイス

ダウンした俺を引きずるようにして、イアンがどうにかロシュの話から場所を割り出し、ジュダスの軍の宿営地にたどり着いた。

「ヤッホー! 皆ただいまなんだよー!」

ロシュが入り口から大きく声を掛けると、人々がどよめいた。

俺たちがどうするべきか迷っていたところに、なんだかきびきびとした兵士が二人ほどやってきた。

「アレクト様、ようやくお帰りになられましたか」

甲冑の一部のような鉄の帽子のせいで顔はよく見えないが、空気だけは不満がムンムンに溢れていた。


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