英国喜劇リトレイス

「あのね、この二人がボクをここまで連れてきてくれたんだよ! 紹介するね。こっちのアホ毛が…」

「アホ毛言うな! てめえも頭跳ねてんだろが!」

スコーン! と音がして視界がぶれる。
そのまま頭をイアンの脇に抱えられた。

(ことを荒げるな! “アレクト様”って聞いたろ! こいつさりげ立場高いぞ! 偽名使っておけ!)

(そ、そうかわかった)

シュパッと立ち上がって脳天のアホ毛をなでつける。
が、意味がない。
俺が躍起になっている間にイアンが口を開く。

「アーチボルトです。ロシュ様のお見送りついでに、こちらの軍に志願しようと思いまして、来ました!」

「同じく志願しに来ましたディズです!」


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