英国喜劇リトレイス

しかし、奴は相変わらずのぼやけた目で俺を見つめると

「やだ」

一蹴。

「やだ。じゃなーい! 俺は疲れたんだ! お前回復魔法使えるんだからちょっとヒールしてくれたっていいだろ!」

「大声で魔法とか言わないで私死んじゃう」

ああ、まずいまずい。
魔女って処刑の対象だった。

毎日一緒にいるとそんな感覚も鈍ってくる。


「それに私の魔法は森の力の魔法なの。こんな街中で使うものじゃない」

「いや、それ単にやりたくないだけだろ」

「うん」

「おい!」



< 87 / 409 >

この作品をシェア

pagetop