Sweet secret

「お前、いつも赤点ギリギリだろ…授業くらい真面目に聞いとけ。」

「はい…。すみませんでした。」

なぜか化学だけは苦手なんだよね。イオン式とか分子の構造とかよくわからない話が出てくるし。

いつもノートをとるので必死なあたし……。

苦手だからついつい後回しにしちゃうし。

「…おい。聞いてんのか？？」

「…あっ、はい。聞いてます。」

「んじゃ、説明すっからちゃんと聞いとけよ。」

「はぁ～い。」

先生の解説はとてもわかりやすかった。一から教てくれるし、質問したらその答えが必ず返ってくる。

あたしはこの時少なからず、憧れに近いものを抱いていたのかもしれない。

その時は気付かなかったがこれが恋というものに繋がるとも知らずに……。