「金剛戦士Ⅰ」黎明の夢
減速は現在も続いており到達予測時間は、減速速度が多少変化しても、午前五時前から午前五時三十分の間になるであろうと告げた。

この頃になると、対策室のモニターにも小惑星群の集団が、はっきりと映って見えるようになってきている。

李は各国全権と政府に情報を伝え、計画通り迎撃準備を急ぐように要請をし、これからは平和維持軍に近くの天文台の情報発信に波長を合わせ、リアルタイムで小惑星群の位置確認ができるようにしておくように指令を依頼した。

すでに各国の電子ビーム砲などの搭載艦や空母は、千キロほど沖合いの洋上まで出ていて、持ち場へ急ぎ航行を続けている。

また、あと一時間もすれば次々と空中給油機が飛び立ち、戦闘機の為に空中待機することになっている。

そして電子ビーム砲搭載衛星は、いつでもスタンバイOKの状態になっている。

対策室も相当なる緊張に包まれているが、各国政府や平和維持軍の各部隊も同様である。

各国から迎撃の準備状況が入ってくるのを、逐一、補佐官が李に伝えにくるのだが、時間が経つにつれて頻繁に来るようになる。

そこへ、ジョンデイリー全権代行が来て、合衆国大統領は一時間後に大統領専用機に乗り込み、空から平和維持軍のアメリカ部隊を指揮しますと李に伝えた。

李がジェラルディーンのことについて訊ねると、彼はワシントンに留まり、大統領の補佐を行ないますと答えた。

どちらかに、もしもの場合があっても、指揮できるように備えて別々の場所で待機するのだと言う。
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