「金剛戦士Ⅰ」黎明の夢
彼らが部屋から去っていくと、入れ替わりに科学者が来て、李に小惑星群の現在状況を伝えたが、一時間前に聞いた報告と、ほとんど変わりは無かった。

時間は午前三時になっている。

到達まで、あと二時間も無い。

李は補佐官を呼び、今から通信本部へ移動するので、主要な補佐官と科学者と軍の将校を、通信本部へ呼び集めるように指示をした。

そこへ通信本部から、連絡員が来て

「事務総長、信じられないようなことですが、今頃になって、エウロパ宇宙ステーションの乗員からと思われる通信が、入ってきだしました」

李は一瞬、自分の耳を疑った。

「それは、ほんとうか」

と言うがはやいか立ち上がり、通信本部へ急いだ。

三ヶ月以上も連絡が無く、はっきり言って諦めていたし、にわかには信じ難いのであるが、事実であるとすれば、唯一の良い知らせであり、李は確認をする為に小走りで向かっていく。




直たちエウロパ宇宙ステーション搭乗員は、ステーション機能が不全になった後、脱出用宇宙船で帰還しようとしたのだが、一度も点検すらしていない宇宙船で、整備に時間が掛かり、、おまけに故障が各所に見つかり、苦しみながらもステーションからの離脱発進に漕ぎつけた。
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