「金剛戦士Ⅰ」黎明の夢
人間と同様な知能を人工的に作り出すのは、とても容易なことでは無く、もし作ることが可能であるとしても、最低でも日本列島に、びっしりと並べるぐらいのコンピューターが、必要なように思われたのだった。

郁江は研究開発をしている時に思ったことがある。

人工知能は人間が作ろうとするから難しいのではないか。

もしも、ある程度までの判断や創造力などの人工知能を持ったコンピューターがあって、そのコンピューター自身が自らを発展させていくことが可能な能力があれば、どんどん自らを、より高性能に変化させていくのではないか。

人類が自分たちの必要に応じて発達、発展してきたように、コンピューター自身が必要に応じて発達していくのではないか。

そんな考えを持ったりもした。

そんなことを思い出しながらも、最初は、小惑星群は地球外生物の操る宇宙船ではないかと考えたのだが、地球からの情報などにより、どうやら、その可能性は無くなった。

そこで考え付いたのが、小惑星群自体が生物なのではないかというのである。

表面は小惑星のように見えても、中身はコンピューターのような無機物生命体なのではないのかと考えた。

そう考えてみると、宇宙船などが機能不全になったのは、無機物生命体が宇宙船などを自分にとっては敵対する者だと思い、何らかのエネルギー波動で攻撃して抹殺したのではないか。

そしてより電波の多い方向へ向かうのは、生命体から見ると、より多くの、より強力な敵がいると判断して向かっているのではないか。

そのように考えると、つじつまが合っているように思われるのである。
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