佳き日に




「泉くんと春くんじゃないの?」


「え?」


何言ってんだこいつ。

おそらく三人共そう思ったのだろう。
そんな顔をしてた。


「偽名、ですね、それは。」

言いづらそうに閏がそう言った。

「偽名?」

「とりあえず、こいつら二人はメモリーズ!」

つまりはお前の敵だ!
カンカンと食器をスプーンで叩いて琴は捲し立てた。

「鉛丹と桔梗を見つけたら、とにかく逃げてください。」

「で、でもさ、あの二人まだ中学生くらいじゃん!」

ファミレスで一緒に食事をした泉くんと春君、もとい、鉛丹と桔梗。
あの二人のかわいい男の子が。

恐れるべき対象とは、到底思えなかった。


「殺し屋に年齢は関係ない。」

琥珀の意見を雪はそう言って一蹴した。

「相手はプロです。鉛丹と桔梗なんて、殺し屋業界でもかなり有名な二人です。本気で逃げなきゃ殺されます。」

閏は琥珀の目を真剣に見つめて言う。

茶色い目。


琥珀はそこでふと気になることができた。


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