佳き日に



琥珀が感心していたら、雪と琴が皿を片付け始めた。

もう食べ終えたようだ。
早い。

目の前の閏の皿を見ればこちらももう空っぽだった。

ゆっくり食べているつもりはなかったのだが。

琥珀は急いでかきこむ。


「別にゆっくりでいいですよ。」


食べるスピードを上げたことに気付いたのか、閏はふっと笑ってそう言ってくれた。

目を細めているから笑っているのだと気付いた。
下半分の口元は全く笑ってはおらず、閏は本心では全然別のことを考えているような気がした。
そこまで考えて、琥珀は少し怖くなった。

ここにいる閏も、雪も、琴も、人を殺して生きている。
人だろうが、メモリーズだろうが、命を奪っていることにかわりはないだろう。


自分より弱いものを殺すとき、何を考えているのだろう。


急激にカレーの味が薄くなった気がした。


さっきとは違った、もっと恐怖と不安が渦巻く気持ちのまま、目の前に座る閏のほっそりとした顎を見つめた。

痩せてるな、と思った。



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