佳き日に




『九月二十五日。
残党がいたので殺しておいた。
彼らに問いつめたところ、どうやら親玉は田舎の方へ逃げているみたいだ。』


『九月二十八日。
依頼七つ全て終わったことになる。
最後の仕事だけやけに時間がかかったが。
そういえば、驚いたことに最後に始末した組織の親玉は肌、髪、共に白かった。
アルビノというらしい。
いつだったか死体を回収してくれる奴がアルビノの死体は高く売れると言っていたのを思い出す。
別に今は金に困っているわけではないのでタダで譲ってやった。
明後日は茜が歌う日だ。
早く帰ろう。』


琴がそこまで読んだとき、玄関の扉がバタンっと開く音がした。


バタバタと慌ただしく琥珀が入ってきた。

慌てて日記を閉じ机の下に隠した。


「ただいま。ねぇ、琴聞いてよ。」

「なんだし。てかうっせぇ。」

鉛丹と桔梗との交渉の内容を説明してくる琥珀の言葉を聞き流しながら琴は考える。

日記を読む限りでは、雨は茜をかなり気に入っている。
友情か愛情かは分からない。

だが、人間とメモリーズがここまで仲よくなるのはめずらしいことだろう。


雨が日記に書いていた歌の一節を思い出した。

“何かを探してこの星に生まれた“


彼、雨はもしかしたら、茜という少女に何か生きる意味を見いだしたのかもしれないな、と思った。




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