佳き日に



「これからはおじいちゃんとおばあちゃんがここに住ませてもらうからね。」

「転校は?」

「しなくていいのよ。」

頭をなでて、目尻を下げて祖母は微笑んでくれた。

安心させようとしてくれているのだろう。

そうか、これからは家に帰っても一人じゃないんだな、と琥珀は思った。
なにか、胸につかえた気がした。


「おばあちゃんたち経営はさっぱり分からなくて。ここの古本屋は閉めることにしたの。ごめんね。」

「うん。大丈夫だと思う。お客さんも全然来なかったし。」

「でも茜ちゃん、家に帰ってきたらずっとこのお店にいたんでしょう?」

「……うん。」

何度目かの違和感。

私、放課後はずっとここにいたんだっけ?


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