佳き日に
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二回目の勉強会。
場所はこの前と同じ。
メンバーも同じ。
ただ、琥珀はなんとなく鉛丹と桔梗の様子がおかしいことに気付いていた。
「asっていうのは意味がたくさんあってね。」
「わ。本当だ。たくさんありますね。」
電子辞書を見ながら桔梗はルーズリーフに英文を書いていく。
吸収いいなぁ、と琥珀は思った。
「なんで日本に住んでんのに英語勉強するんだよ。」
前回と同じようにリンゴジュースを飲みながら鉛丹が口を挟む。
「今は国際化が進んでるからね。会社でも外国人とのやり取りとかあるから英語は必要だよ。」
「ふーん。」
鉛丹がつまらなそうにストローを噛んでいる間にも桔梗は黙々とシャーペンを動かしていた。
琥珀が散々苦労した比較の文法問題をスイスイ解いていく。
教えている立場としては嬉しい反面、複雑だ。