佳き日に



昔来た時はとても煙草臭かったのに、今は無臭だ。

いや、違う。
僅かに火薬の匂いがする。

エナカがそう感じた瞬間だった。

爆音と共に、天井の一部が爆発した。
咄嗟に受け身をとったはいいが、上から人が降ってくるのは分からなかった。

「てめぇら警察の連中か!?」

カチャリ、と。

懐かしい音だ、とエナカが思っていたら頭部に銃口を突きつけられた。
突きつけてきたのは男。
茶色い目の、メモリーズ。

「この女を殺されたくなかったら赤い女の居場所を教えろ‼」

男はエナカの頭に銃を突きつけたままそう叫んだ。
おそらく、せんべいに向かって言ったのだろう。

しかし、状況は予期せぬ方向へと向かう。


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