佳き日に







「助けてくれたんだね。ありがとう。」

琥珀がそう言って笑いかければ萩は頷く。
喋らない少女のこの頷きも段々愛らしく見えてきた。

血まみれのワンピースに、体を張って守ってくれたことが表れている。

そんな琥珀の穏やかな気持ちを邪魔するように、チャラララーと携帯が鳴った。

「ごめん。多分私の携帯。」

琥珀は慌ててポケットを探り携帯を取り出す。

あんなに走って窓に体ごと突っ込んだりしたのに携帯は琥珀のポケットに入ったままだった。

電源を入れてみると電話が一件とメールが一通入っていた。

『だれから?』

キュ、キュ、と音をたてて萩はそう書く。

琥珀はぎこちない笑みを浮かべる。


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