佳き日に
「私の家族の死に、その雨は関係したんですか?」
「さぁね。分からない。でも僕は、関係していると思うよ。」
大人はニッと笑う。
「じゃなきゃ、君から記憶を奪う動機がない。」
雨というメモリーズが、自分の家族を殺したのかもしれない。
茜は、顔も知らない雨について考える。
「メモリーズのことは一般人には極秘だから、誰にも話さないでね。君の場合は本当に稀な例外なんだ。」
「あなた方は何なんですか?」
「警察側だよ。秘密警察。主な仕事はメモリーズを殺すこと。」
茜はなんだか納得いかない。
自分たちのような一般人に知られずに警察がそんなことをしていたことにもそうだが、メモリーズは人間よりも身体能力が高いのではなかったのか。
「人間が、殺せるんですか?」
「殺せるさ。彼らはこの世にいないことになってるんだから、人権なんてない。街中に彼らがいたら迷わず撃っていいんだ。」
「……そんなの大騒ぎになるじゃないですか。」