佳き日に




銃ではないな、と思った。

銃はとても強い力で弾を放つ。
その威力が強い分、反動も大きくなる。
萩のこの細い腕ではとてもその反動には耐えられそうにない。
そして、身体の軽さから銃を撃つと同時に自分も後ろに吹っ飛んでしまうだろう。


じゃあ、刃物とか毒かな、と琥珀は目星をつける。

その二つだったら近づかなければまだ大丈夫だろう。


とりあえず逃げるタイミングが来てくれるまで時間稼ぎをすることにした。


「ねぇ、萩ちゃんって呼んでもいいかな?」


おかっぱ頭が揺れ、頷こうとした時。

パンッと何かかすかな音。


瞬間。

バリィンッと大きな音をたてて一番大きいガラスが割れた。



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